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29 8月, 2014

伊藤博之による集合住宅「BLOOM」

伊藤博之/伊藤博之建築設計事務所 (Hiroyuki Ito Architects) による世田谷区・二子多摩川の集合住宅「BLOOM」の内覧会に行ってきました。

 敷地面積237m2、建築面積129m2、延床面積534m2。RC造、5階建て。10住戸からなる共同住宅。


 バルコニーが外へ跳ね出す、つぼみが開き花が咲くようなイメージとして「BLOOM」と名付けた。
コンクリートの型枠は通常の(ツヤのない)ものを使い、仕上がりが "新しすぎない" ようにした。

 エントランスを入ると建物の反対側まで抜けており、居住者用の自転車置き場に通じている。


 101。共用部と同じタイルが居室に連続する。この部屋は外観で見えた右側(南)一面に、10m以上の長いバルコニーがある。
間取りは1DKか1LDKで、26m2〜54m2まで様々だ。

 水回りを通り抜けて奥の寝室へ。


 水回りで完全に居室を分断するというユニークなプラン。


 102はメゾネット。階段を上がって2階の様子。梁がブレースの上面に現れ、出来た段差で空間を緩やかに仕切る。
但し、部屋によって梁はブレースの下面と上面を使い分けている。

 窓の外には公園の緑が借景となっている。


 201は逆に2階と1階のメゾネット。


 特徴的なバルコニーの外壁。居室の窓と同じ高さの開口で、幅や位置を少し変えてある。


 中から見ると開放的で有りながら、近隣からのダイレクトな視線を緩和している。


 1階には寝室と、この水回りがある。珍しい位置に浴槽がある。(もう少し右に置くそうだ)


 202はL字型の部屋。


 水回りを介して奥に寝室。 


 寝室側から。


 301。


 3階は腰窓でバルコニーの手摺の高さ、テーパーと関係を持たせている。


 401は掃き出し窓で、201のような外壁のあるバルコニーが筆者の背中側にある。


 402。202で見た、収納と開口の関係が逆になっている。


 反対側から。


 501は再び腰窓に。つまり301のようなバルコニーが備わる。


伊藤博之さん。「一見箱を積み上げたような外観に見えますが、内側の論理で外観が決まったものです。色々なものが共存する街のような存在を目指そうとしたとき、ルールの中でどれだけ振幅を大きく出来るか模索しました。そこで高さ方向で(開口の)条件が異なれば外部とのインターフェース変わってくる。このバルコニーはそういった調整の末に生まれたものです。」


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18 8月, 2014

谷尻誠による事務所兼住宅「上原の家」

谷尻誠+竹内雅貴(Suppose Design Office)による事務所兼住宅「上原の家」のオープンハウスに行ってきました。場所は東京・渋谷区。
デザインは施主である小林弘和+山田春奈/Spreadとコラボレーションした。

 敷地面積68m2、建築面積30m2、延床面積107m2。木造、地下1階、地上3階建て。周囲の戸建住宅に比べ背の高いボリューム、そして角に切り込みを入れたような開口が目を引く。


 ファサードの仕上げはモルタルをスタイロでこすり、コテで軽く均した。(プラス防水塗装)


 玄関は鋭角な三角の開口に、木サッシュの引戸が内側に納まる。



 中に入ると台形(ほぼ三角形)の吹き抜け空間。4段分掘り下げた地階の左側が施主のスタジオ(事務所)


 外観を見て開口が少ないので中はどうなっているのかと思ったが、そのまま光量の少ない空間になっていた。その理由と壁が多いことを聞くとギャラリーとして使うとのことだった。
「以前から自分たちの作品を飾るスペースがないことにフラストレーションを感じていた。」と施主の山田さん。

 見上げると吹き抜け空間のそこかしこに作品を飾るスペースがある。今後発表の場を求めるクリエーターにも開放できるよう考慮しているという。何カ所かスライド照明のレールが設けてある。


 スタジオ。RC部と木造部の境に段差を設け、デザインした作品や小物が並べられるようになっている。


 まず最初に展示された作品は神宮巨樹さんによる施工中の本物件と、


 何か全く分からなからず岩塩の写真?と思ったら、敷地の地下から出てきた昔の上水土管。撮影は山崎彩央さん。


 1階から。


 1階DK。床はラワン合板、キッチンはラーチ合板で造作されている。キッチンの右側にトイレと収納。その上は収納用のロフトスペース。


 キッチンから。建物の中心を垂直に貫く壁は耐力壁で、これにより空間を間仕切り、かつギャラリーとしての壁面を増やしている。
壁や天井は特注色のライトグレー。1ヶ月ほど前、40人ほどが参加してペイントワークショップというかたちで塗装したそうだ。


 2階へ。吹き抜けの3辺を回るように登っていく。 


 2階。「リビングかな?どうしようかな?」「バルコニーがあるのがいいでしょ」と角を指さす施主の小林さん。


 室内にありながらあえて “バルコニー” とのこと。猫が二匹いるそうなのでここが居場所になりそうだ。


 “バルコニー” から見下ろした “中庭” 。


 3階。階段を挟んで反対側にも居室。どのように使うかは住みながら決めていくそうだ。


 3Dの仕事をする建築家、2Dの仕事をするグラフィックデザイナーがミーティングを重ね、互いにアイデアを出し合いながら進めたという今回。沢山の居場所は “何用” とははっきりさせずに出来上がった。


 屋上。周辺より頭ひとつ出る(約12m)この建物はとても見晴らしがいい。


「事務所と住居のシーンを切り替えられるよう、中庭のような吹き抜けと、沢山の居場所を設けました。」「今回のように異業種の方とのコラボレーションは思いもしない化学反応が生まれ楽しく設計できました。特に外観は普段自分たちからはないようなデザインになりました。」と谷尻誠さん。


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11 8月, 2014

廣部剛司による週末住宅「Villa Escargot」

廣部剛司  (Takeshi Hirobe Architects) による千葉・富津市の週末住宅「Viila Escargot」の内覧会に行ってきました。

 敷地面積1,860m2、建築面積99m2、延床面積116m2。木造2階建て。建ぺい率はわずか5.3%。


 敷地の傾斜に沿うように立ち上がった三角形は、パタパタと何度も折れ曲がりながら反対側に着地する。


 敷地の片隅には直径が1m以上もある石が。前の所有者が据えた石と思われるが「ご神体のように鎮座していたので動かさずに利用した」と廣部さん。月見台にぴったりだ。


 雨落としはデッキを円く切り抜き、地面には石の色まで変えて並べる凝りよう。


 玄関アプローチ。


 玄関を入ると意外な円筒が出迎える。


 近づくと動線が狭まり、足元からちらりと外光が差し込む。


 右に折れると景色が見え始めるが、上部からの圧迫で全体はまだ見えない。


 DKを抜けるとようやく開放され眼前に東京湾が広がる。


 裏山に登って俯瞰すると、緑に包まれるような敷地がよく分かる。海岸まで200m程で、東京湾を挟んで対岸に横須賀の突端が見え、夕日が沈む。空気が澄んでいると富士山も望める。この景色を室内に取り込むのだ。


 リビングから全体を見る。DKの上に寝室。右奥に水回り。



 大工さんにはかなり頑張ってもらったと想像される。眠り目地で施工することでダイナミックな面構成がより強調された。「素朴な素材で」というクライアントの要望から室内はシナベニアを選択。


 水回り。


 窓の外に見える石組みも元からあった位置で利用。


 キッチンと一体になった御影石のダイニングテーブルは、外殻を構成する三角形と対比させるように有機的なデザイン(キッチンハウス製)。 


 玄関から見えた円筒(半円)の中はトイレと収納。弧を描く引戸に注目。


 円筒の裏側はゲストルーム。


 2階へ。手摺も三角形。


 2階は寝室だが、今のところリクライニングチェアだけが置いてある。


 2階からも景色が眺められるよう要望があった。 


 バルコニーに出ると庇の内側にまで張られたガルバリウム鋼板が見えるが、手間の掛かる施工が成されている。



廣部剛司さん。「クライアントからは景色を眺められることはもちろん、"見たこともない建築を” と求められました。」「力強く自律する外殻を、三角形の面を連続させながら構成し、内部で必要なボリュームや敷地での佇まいと合わせ検討していくうちに、地面にゴロンと置かれた巻き貝のような雰囲気になりました。」


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