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25 9月, 2014

新関謙一郎による世田谷の住宅「WKB」

新関謙一郎/NIIZEKI STUDIOによる世田谷の事務所兼住宅「WKB」の内覧会に行ってきました。

 敷地面積84m2、建築面積58m2、延床面積166m2。RC造、4階建て。


 敷地の北側には緑道が通っており、建物の植栽と混じり合っている。 


 "コの字”型、或いは”L字”型の外壁がいくつも勘合し、その隙間が様々に開口している。

 
エントランスポーチ。左の階段を上がると住居。右の扉から事務所スペースへ。


 1階にある事務所スペースは1m程掘り下げてある。トップライトは北側に開口しており、作業をするには丁度良い光量だ。


 事務所スペースの玄関は緑道側にも。


 2階住居部へ。


 階段を登ると、外から見えた植栽が壁上部に造作されたプランターに植えてあることが分かった。


 階段から右を見る。ガラス引戸を全開にするとバルコニーとリビング・ダイニングや玄関が一つの空間のように連続する。


 南側は隣家が迫るので一文字の低めの開口。


 北側は緑道の桜に手が届くほど近いので大きく開放。花壇の植栽と借景が繋がって見える。


 薄く見えるよう面取りしたコンクリートのキッチンカウンターはキャンティレバー。コンセントが底面右に付いている。
上面の半ツヤは細目のサンドペーパーで仕上げて出したそうだ。 

 階段の仕上げ。踏面はエントランスポーチ、外階段、2階バルコニー、玄関から一続きで黒い玉砂利をコテで塗り固めた。蹴込みは黒モルタルの左官仕上げ。



 3階子供室。子どもたち3人で一緒に使うそうだ。手前は作り付けの勉強机。


 登ってきた階段を見返す。階段は広めで、途中に腰掛けて緑道の桜を眺められる。正面は水回りへ。 


 子供室奥から。左奥の扉からもう一つの外階段に出られ、4階の屋上テラスに通じている。


 水回りは全体的にダークな色調で、浴室は真っ黒だ。
左は洗面から浴槽まで面一で連続している。天井の円いのはトップライト。 


 4階への階段は子供室を対角に横切らないと使えない。動線により自然に家族が接触出来る機会が増える。


 4階主寝室。4階建てで高さ制限に収めるよう、1階を掘り下げ、4階を低め(2.1m)に計画した。右の扉とその奥は収納。


 屋上テラス。テラスを囲う壁の上にも造作プランターがある。


NIIZEKI STUDIOのコメント。「緑道の木々はとても力強い存在で、その木々と同じように彫りが深く力強い建物を目指しました。建物にもプランターを造り付け多くの植物を植え、周囲と馴染むことで既にそこに在ったかのような雰囲気です。またお施主さんのご家族はとても仲が良く大らかで、その様なご家族の生活を包み込めるように大らかな空間を心掛けました。」


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22 9月, 2014

西久保毅人/ニコ設計室による「中島さんの家」

西久保毅人/ニコ設計室による杉並区荻窪の住宅「中島さんの家」のオープンハウスに行ってきました。

 敷地面積70m2、建築面積31m2、延床面積64m2。木造2階建て。
静かで道幅もある住宅地、見晴らしの良い角地のため視界は広いのだが、外部からの視線も気になる場所。

 そこで西側を広く外に向かって開口しながらも、敷地の形状を利用した外壁を立て視線を適度にカット。


 壁の内側には常緑のヤマボウシを植え、緩く仕切りながらも近所の友達が気軽に縁側(テラス)に寄って来られる、風通しの良さも持たせた。


 玄関は東側に。


 入るとピンクの壁が正面に。左は土間のままキッチンへ。玄関からフロアは小さな子では上がりにくい40cmほどの高さにしてあるが理由は後ほど。


 1Fリビングダイニング。奥には縁側が見える。床・壁は着色した杉材、天井はラーチ合板、左の壁は黒板塗料でしっとりとした黒。「白」あるいは「白っぽい」部分がない(筆者にとって)久しぶりの住宅だ。


 見上げると2階上のロフトまで吹き抜けに、そしてピンクの壁がそびえ立つ。このピンクは施主が選んだそうだ。


 中央はダイニングテーブルで、床にそのまま腰掛けて使えるようにフロアを持ち上げていたのだ。
左の窓は外部に大きく開口しているものの、一番視線が気になる部分を木の引戸にしてある。

 キッチンから見るとこのように。お母さんは買い物から帰ってそのままキッチンに入り、料理をして、靴を履いたままでも晩ご飯を食べることができてしまう。(実際は靴を脱ぐでしょう)


 水回り。


 左の黒い壁の左には冷蔵庫が納まる。その黒い壁は鉄粉入り塗料のため、白いマグネットが張り付いている。冷蔵庫に色々張り紙するよりスマートだ。


 2階に上がると足元はすのこ状に透けた廊下。そして子どもたちのスタディーコーナーが設けてある。


 座るとこのように。


 主寝室。アクセントのピンクはここにも現れる。 窓の外は物干しのバルコニー。


 子ども室。急なステップでロフトへ上がれる。左の小窓からは吹き抜け。


 小窓からの眺め。廊下にもう一つの子ども室が面している。二つの子ども室には扉がなく、吹き抜けを介して家のどこからでも気配を感じることが出来る。


 ロフト。子ども室にもできるよう考慮されている。


 ロフトから見下ろす。吹き抜けを中心に、各スペースや外とも繋がったレイアウトがよく分かる。



 ニコ設計室のオープンハウスはいつも子どもが多く、そして皆楽しそうにしている。あるお父さんが「そろそろ帰ろうか?」と聞くと「やだ〜!」といったやり取りも。




西久保毅人さん。「外部からの視線をコントロールし、といって閉じすぎないように、タイトな中でもちょっとした工夫で解決できます。また角地を利用した二方向から動線も取り入れ、光・空気・ひとが通り抜ける、そんな子どもたちの家を計画しました。」


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13 9月, 2014

35歳以下の新人建築家7組による建築の展覧会 2014

2010年に始まった U-30展(Under 30 Architects exhibition)は、今年で5年目を迎えた。今年から年齢を5歳引き上げ、『35歳以下の新人建築家7組による建築の展覧会2014』が9月4日から開催された。これからの活躍が期待されるであろう若手建築家たちの視点から、これからの建築の可能性を伺える展示となっている。

【Under 35 Architects exhibition 2014】



出展者は、建築家・石上純也氏が一般公募の中から以下7組を選抜。(五十音順)

伊藤友紀 Yuki Ito
+岩田知洋 Tomohiro Iwata +山上弘 Hiroshi Yamagami
植村遥 Haruka Uemura
魚谷剛紀 Takenori Uotani
高栄智史 Satoshi Takae
長谷川欣則 Yoshinori Hasegawa
細海拓也 Takuya Hosokai

模型:会場構成



■ 長谷川欣則 Yoshinori Hasegawa
『思考のつづき』
展示されている模型は、中止になったプロジェクトも、進行中のプロジェクトも平行して並んでいる。ぐるぐると円を描きながらひとつひとつのプロジェクトを観て廻るように設計された設営方法は、まるで長谷川氏の思考回路を観ているようで、思考がループのように続いていくようだ。
長谷川氏のプロジェクトの一つである「部分の小屋」は、小さな建物を作るワークショップで作られた小屋。子供から大人までが実際に手を動かしてつくる建築を、施工の精度が高くなくても、空間の質を失わないように考慮して設計された。敷地であるビルの谷間にある路地にヒントを得て、狭さを心地の良さに変えるような空間を目指した。2つある小屋は現在は本屋とギャラリーとして人々に親しまれて使われている。
建築家が一人で考えるのではなく、そこに関わる人たちの意見を聞きながらみんなで参加できる建築を提示している。


 



■ 細海拓也 Takuya Hosokai
『リアル』
建築は記憶の断片の組み合わせで造られる。脳に読み込まれた記憶や気になった建築や都市の空間を写真に残し、床に全てをフラットに置いている。これは、何かが特別なのではなく、対等なものとして扱っており、曖昧で不確かな「現実」を展示している。



 



■ 植村遥 Haruka Uemura
『記憶の中の空間』
記憶の中にある各々のストーリーからつくり出された作品を展示。色やにおいを可視化するとどうなるのか。海の色、昔の写真の色がどのようにその風景を変えるのか。ミクロとマクロの視点で見る-自然と共に生きて行く生き物から学び、そこから建築に繋げていけないか。植村氏は、これらを組み合わせて、仮設住宅や都市、テクノロジーなどを作っていけるのではないかとマテリアルの持つ本質を活かしたものづくりを模索している。










■ 魚谷剛紀 Takenori Uotani
『V / K house』
V house は、環境との向き合い方を考え、建築をvolumeとしてではなくvoidとして捉えることで、そこから導かれる壁を仕切るものではなく、繋げるものとして考えた建築。K houseは、敷地周辺のオープンスペースを階層的に取込み、機能を考えることで、領域のグラデーションや立体的な開放感を示す建築。展示では、二つのプロジェクトを様々なスケールを連続させて置き、そこに生まれる新たな視点、余白、距離感などから建築の拡張性を探したいと考えている。




 



■ 伊藤友紀 Yuki Ito
『けんちくのうまれかた』
私たちの周りにある様々な出来事から建築のうまれかたを考える展示。伊藤氏のドローイングからアニメーション化された「ひとりのおばあちゃんの行為からできる建築」は、おばあちゃんが何かをする度にその周りの空間ができ、無限に広がっていく建築の思想が現れている。その他、移動式の個室「最低限個室カタツムリハウス」、住宅が都市のようであり、うるさいくらい自然が近い家「赤いレンガの家」、伊藤氏が建築を考える根本となった「Hole school / 行為と用途の穴からできる建築」が展示されている。





■ 高栄智史 Satoshi Takae
『a-hum』
a = architect, hum = humanity 「建築の価値は設計者によって決まるものではない。」
現在進行中の住宅プロジェクトの経過模型と両端に言葉、移動する空間を360° 体感出来るボックスが展示されている。この住宅では、建築家の理想に近づけ価値付けしていくものではなく、高栄氏が施主と設計に携わるものとの対話で何度も修正を加えながら、豊かな建築をつくる手がかりを探っていた様子が伺える。

 



■ +岩田知洋 Tomohiro Iwata +山上弘 Hiroshi Yamagami
『領域が変化する壁』
ある一点に立つと全ての小口が見えるが、ある一点に立つと壁のように見えるパーティションが展示空間に設置されている。これは、岩田氏と山上氏が「人が動くことで領域が変化する壁」という人が関わることで変わる空間の機能に興味を持ち、設計された。今回の展示では、このコンセプトから2つの住宅プロジェクトを紹介している。一つ目は、密度の違う木材の配置で見える景色や風の通りが変わる住宅と、もうひとつは、混ざり合う空間によって領域が変化する住宅。どちらも建築家が領域を決めるのではなく、住み手が領域を決めるように設計されている。建築家は壁や屋根や窓をつることで空間領域を決めるのではなく、人の行為で領域が変わっていく建築を目指している。























【Under 35 Architects exhibition 2014】

会期期間:2014年9月4日(木)~10月4日(土) 10:00~18:00
日曜・祝日休館 ※ 9月6日(土)、9月13日(土)のみ20:30まで開場
入場:¥1,000
展覧会場:大阪・南港 ATC   ODPギャラリー
〒559-0034 大阪市住之江区南港北2-1-10
アジア太平洋トレードセンター(ATC)ITM棟10階 ODP(大阪デザイン振興プラザ)※ 大阪市営地下鉄・ニュートラム線 「トレードセンター前」  直結
出展建築家:伊藤友紀、岩田知洋・山上弘、植村遥、魚谷剛紀、
高栄智史、長谷川欣則、 細海拓也 (新人建築家7組)



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