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20 6月, 2017

大久保博夫/CHOP+ARCHIによる「上馬の家」

大久保博夫/CHOP+ARCHI建築設計事務所が手がけた世田谷区「上馬の家」を内覧してきました。


建築面積54m2、延床面積108m2。木造2階建て。二本の道路が鋭角に交わる三角形状の敷地。
夫婦と娘、三人家族のための住まい。周辺環境との程良い関係性とプライバシーの確保と、東南角地の三面接道による直射日光など自然環境への対策。特異な敷地形状を最大限活用出来るような平面構成も求められた。


開放的な立地である反面、多くの周辺住宅の正面がこの敷地に向けられているため、プライバシー確保のためには外壁は閉じ気味にならざるを得ない。そこで建物の三つの角に内と外との中間領域となるヴォイドを介して外部との接続を可能にした。


ダイアグラム。三つの角にヴォイドが設けられている。
また実は傾斜敷地で、左奥の最高点から、根切り底(基礎のために掘削した地盤面)まで約1mの高低差がある。建築面積の全面を根切り底まで掘削すると、建物の規模に比べて大げさな基礎になるうえに、残土処理のコストが掛かるため、接地圧を考慮しながら三点で最小限の基礎とした。掘削した土は基礎ではない中央に盛り土し、スラブを支持させるために利用した。

盛り土はそのまま基礎の型枠としても利用された。風雨にさらされ、徐々に土がもれだしスラブが宙に浮いたようになってくる。


北側のヴォイドは三角形の開口を介して周囲からも見ることができる。


後ほど室内からよく分かるが、視線の抜けや採光に重要だ。


玄関。外壁の仕上げはフレキシブルボード。


玄関から見返すと外壁に挟まれた隙間を発見。


ここは2つ目のヴォイドで、駐輪スペースなどとして活用できる。


玄関から2段あがってLDK。基礎からスラブへと上がる様子が分かる。
左の木の箱はシューズケース。


LDK。様々な面が交錯し、シンプルながらも表情豊かだ。


小さな開口は1つ目の北側のヴォイドへ通じており、光量不足を補うようにダイニングへと採光や風を導いている。


奥は室内と連続する3つ目のヴォイドで、閉じた外観ながら十分な光量が得られている。


玄関方向を見る。


シューズケースに見えた箱は裏側が階段になっていた。重くならないように浮いている。


階段をあがると左に主寝室、正面にウォークインクローゼット、右に子供室。


主寝室。左からはヴォイドを通じて上下に繋がりをもたせている。


1つ目の北側ヴォイドは隣家と視線が交錯しないため、水平方向にも開口し、近隣と程よく繋がっているのが分かる。


子供室側は駐輪スペースの上にグレーチングを張り、バルコニーを設えた。



 大久保博夫さん。「ヴォイドにより、『つながりの調整』を発生させることを考えました。住人同士の視界でのつながり、太陽、音、風など自然環境とのつながり。つながりを調整する事で互いの程良い関係性を形成し、結果として周囲環境との共存へと導いてくれると思っています。」

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16 6月, 2017

東京の街を250個の模型と映像テクノロジーで体感する「TOKYO ART CITY by NAKED」展

6月16日から開催の「TOKYO ART CITY by NAKED(トーキョーアートシティ バイ ネイキッド)」の内覧会に行ってきました。会場は東京ドームシティGallery AaMo。


本展を企画したNAKEDは、東京駅、東京タワーなどへの3Dプロジェクションマッピングで知られるクリエイティブカンパニー。広さ730 ㎡の会場全体に、“TOKYO” をテーマにした8スポット(新宿/渋谷/お台場/東京タワー/東京ドーム/秋葉原/東京駅/東京国立博物館)の巨大模型など約250個の模型を展示。それらを約100台のプロジェクター、LEDライト、音楽、特殊効果、パフォーマンスなどで演出する360°で体感するアート空間だ。


NAKED代表 村松亮太郎さん(左)と EXILE HIROさん(右)。
HIROさんがプロデュースするLEDダンスパフォーマンスチーム「SAMURIZE from EXILE TRIBE」が、今回 "光る住民" として参加している。


〈新宿〉
エントランスを入るとまず新宿エリア。

歌舞伎町など賑わいのあるエリアと、都庁舎が立つエリアが混ざり合い、新宿の持つ二面性をひとつの表情として体験できる。

1/60サイズの都庁舎をはじめとする西新宿の高層ビル群。迫力ある映像と音で迫ってくる。

ドコモタワー。


歌舞伎町の繁華街。




今夏、歌舞伎町にオープンする最新エンターテインメント施設「VR ZONE SHINJUKU」と連動した演出も。

実は無機質な模型群。プロジェクションマッピングされることで命が吹き込まれる。


〈渋谷〉
世界的に有名なスクランブル交差点。床の光線で人や交通インフラを可視化しているインスタレーション。


東京といえば無数の自動販売機。ここではインタラクティブ自販機とゴミ箱が設置されている。実際にドリンクを買うと、ビルに様々な映像が映し出される仕掛け。近い将来実際の東京の街でも現れるだろうか。


ダイナミックな曲面でたちあがる渋谷駅周辺の模型。


裏側では渋谷駅の地下を表現。


会場全体にわたり頭上をグルグルとまわり続ける白い光は山手線の実際の運行状況に合わせている動きだそう。


渋谷エリアの路地裏をイメージしたデジタル落書きコーナーも。指で自由に光のグラフティを描くことができる。約1分でリセットされる。


〈秋葉原〉
秋葉原はエリアでなく、アニメ、フィギュア、電飾パーツなどが詰まった「ガチャガチャビル」で表現されている。ガチャガチャのハンドルを回すと、ビル全体が変化してオリジナルグッズが出てくる。


〈東京駅〉
1/40の模型。2012年にネイキッドが演出を手掛けたプロジェクションマッピング「TOKYO HIKARI VISION」が再現される時間帯もある。


〈東京タワー〉
東京タワーの展望台をデフォルメした高さ4mの展望台。


展望台からは、実際の東京タワーと同様の夜景を眺めることができる。
模型はところどころペットボトルや菓子箱の廃棄材などでできている。


〈東京国立博物館〉
1/25の模型。上野エリアとして東京の歴史や四季を表現。2013年に東京国立博物館・東洋館にて実施されたプロジェクションマッピング「KARAKURI」を観ることができる。


〈東京ドームシティ〉
1/775の模型。


〈東京俯瞰図〉
人口、交通インフラ、今の天気、電気量など実際の東京の動きを可視化したアート。


オリジナルグッズも販売。


NAKED代表の村松亮太郎さん。
「東京は様々な文化を受け入れ、整理をしないままカオスの状態でたゆたい、変化し続けています。この街で生きる人々が言葉で表現しがたい、しかし無意識に感じているこの街の『らしさ』とは何か、本展の起点はここにあります。TOKYOで生活している人々の過去から現在までの営みの集積を各エリア・スポットごとに表現しました」

【TOKYO ART CITY by NAKED】
会期:2017年6月16日~9月3日
会場:東京ドームシティ Gallery AaMo
詳細:http://tokyoartcity.tokyo/

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12 6月, 2017

虎尾亮太/虎尾+謝建築設計が手がけた麻布十番の複合施設「NIBUNNO」

虎尾亮太/虎尾+謝建築設計が手掛けた複合施設「NIBUNNO(ニブンノ)」の内覧会に行ってきました。場所は東京・麻布十番。自動車部品倉庫だったビルを、宿泊施設を中心とした複合施設にコンバージョンした。
企画・運営は日本に拠点を構える台湾のデザイン事務所BXG株式会社。テーマは「泊まれるギャラリー」。全館にわたり、日台をつなぐクリエイティブ拠点としてオリジナルのアート作品を常設する。
虎尾さんは10年間務めた隈研吾建築都市設計事務所から独立し、7月から日本と台湾の2拠点で本格的に活動を始める。本施設が独立後初のプロジェクトだ。

地下1階、地上5階建。2〜3階にギャラリーを兼ねる宿泊施設(2部屋)の他に、ショップ、ラウンジ、イベントスペース、オフィスが入る。
建物は再開発で2020年東京オリンピック後に解体される予定の期間限定施設だ。そのため費用をかけて作り込むのではなく、いずれ解体されるなら、と敢えて解体途中のユニークさや美しさを表現した。

内装はどのくらい解体すべきか、床から700mmくらいから数パターンの高さの解体ラインを検討した。「人が泊まる場所」であることを前提に、起立時も着席時もある種の快適さを感じられ、且つギャラリーとしての緊張感ある空間を満たす「1300mm」におちついた。そのだいたい床から半分の高さ=二分が施設名のNIBUNNOとなった。


ファサードは2階の二分(半分)までタイルを剥がした。


コアぬきで穴を開けた窓が目を引く。


職人が窓をつくる様子。


1階 レセプション。


ショップを併設し、日本と台湾のオリジナルの雑貨やアートを販売する。


棚は倉庫に残されたものに塗装し再利用した。


階段室。
壁のポスターは、虎尾さんが現場で書いた「床から1300mmのところで解体をする」いう指示を本施設のキーワードとしてそのままポスターに起用したもの。


地下1階〈LAB〉
日本と台湾をつなぐ交流会やイベントを積極的に展開していく予定。


建物解体中の様子


2階〈GALLERY 2〉(客室)
日本人アーティストの作品をメインに展示。寝具や家具、備品などは白で統一することで作品を引き立たせている。



部屋の窓からは東京タワー。


廊下が狭いため、トイレのドアはL型で出幅を抑えた。


コンパクトなシャワールーム。


3階 〈GALLERY 3〉
作品は主に台湾人アーティストによるもの。現れた雑壁のフレームを上手く利用するなどアートの飾り方にも工夫を感じさせる。


解体によって出てきた職人の手の跡。「スタート時は居住性を確保することは大変でしたが、解体を進めていくうち自然にできたコンクリートと白い壁の陰影や、墨出しの痕跡など面白いと思える要素が増えていきました。建築の学生にとっても良い教材になるのではないかと思います」と虎尾さん。




4階 オフィスフロア
虎尾+謝建築設計とBXG株式会社の事務所が入居している。


5階 〈LOUNGE〉宿泊客専用のラウンジ




虎尾亮太さん。
「このプロジェクトと並行して、隈事務所でスカイツリー近くのホテル『ONE@TOKYO』を担当していました。幸運にも2つの "ツリー" の元でホテルをつくることができました。予算も規模など違いはあれど、ホテルの快適性の面でエッセンスを少しでも感じてもらえたら嬉しいです。今後もBXGとコラボしながら世界中に様々なプロジェクトを発信していきたいと思っています。」

【NIBUNNO
www.sselectlab.com/nibunno

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