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17 5月, 2018

森ビル×チームラボの「teamLab Borderless」開業前レポート

6月21日開業の、森ビルとチームラボの共同運営によるデジタルアートミュージアム「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless」。その制作中の館内をめぐるプレスツアーに参加してきました。


場所はお台場パレットタウン。観覧車の下で、元々ゲームセンターやボーリング場であった場所をリノベーションしたプロジェクトである。施設面積10,000m2の空間に、世界初公開作品を含む約40作品を展示する。チームラボによる東京初の常設展示であり、フラッグシップ施設となる。

「チームラボ ボーダレス」という名称にも採用された今回のコンセプト=Borderlessという言葉には、「作品と作品」「作品と鑑賞者」「自己と他者」の境界をなくし、鑑賞者も作品の一部となって溶け込んでいくという想いが込められている。森ビルとチームラボが専門領域をかけ合わせタッグを組むことで、2020年とその先に向けて、世界に類の無い新たなデスティネーションとなることを目指す。


プレス受付
工事中のため報道陣もヘルメット着用にて入場。

まず通されたのは流れる滝と色鮮やかな花に埋め尽くされた、新作の空間。


こんもりとした丘をステージ代わりにして挨拶するチームラボの猪子寿之氏。
「3年ほど前にプロジェクトチームをつくりました。作品同士コミュニケーションし、影響を受け合い、時には混ざり合います。そのような作品群による、境界のない1つの世界が『チームラボボーダレス』です。6月開業に向けてブラッシュアップしていきますのでご期待下さい」 


ちなみにこの華やかな作品の施工風景はこちら(シンプル!)

ツアー開始。
あらかじめ渡されていた番号をもとにいくつかのグループに分かれて進む。teamLab Borderlessは5つのゾーンで構成されており、普通の美術館と異なり決められた順路というものはない。

【花の森、埋もれ失いそして生まれる Flower Forest: Lost, Immersed and Reborn】(制作中)
紫陽花やひまわりなど季節の花がひろがる世界。いくつか小部屋があり迷路になっている。




階段で上階へ。


【EN Tea House】
肥前でつくられた新しい茶「EN TEA」が注がれた茶器の中に、花が咲いていく作品を体験できる空間。


お茶のイメージ

本施設の目玉といえるゾーン「チームラボアスレチックス 運動の森」へ。
「身体で世界を捉え、世界を立体的に考える」をコンセプトに掲げ、様々なリサーチと実験に基づき脳の海馬を成長させたり空間認識能力を鍛える新しい創造的運動空間を提供するチームラボ肝いりのプロジェクトである。

【ポヨンポヨン宇宙】
チームラボが開発した特殊な布が張り巡らされた空間。自分がいる場所が沈んだり、近くの人が飛ぶことで跳ね上げられたり、トランポリンのように遊ぶ。

宇宙の星々の一生をテーマにした映像が楽しめる。


【グラフティネイチャー 山々と深い谷】
3mほどの高低差のある斜面で創られた立体的な大空間に、来場者が描いた様々な生きものたちが出現し一緒に戯れることができる。


すり鉢状の起伏は歩いているだけで脳が刺激される気がしてくる。


さらに奥へ


【光の立体ボルダリング】
輝く玉石が空中の3次元上に配置された空間。参加者は固有の色に輝くバッジをつけて、その色に輝くホールドをルートに両手両足を使って進む。人々の位置は検知しているので、ルートはリアルタイムに更新され、互いに交差しないように新しいルートが生まれていく。 


完成イメージ図


【色取る鳥の群れの空中吊り棒渡り】
ロープから吊られた棒が連結され立体的に空中に浮かんでおり、他の棒からの影響を受けながらも落ちないように渡るというもの。実際には鳥の群れが自由に飛び回る映像が映し出される。


【裏返った世界の、つながる!巨大ブロックのまち】


特別公開されたPCルーム
これは使用されているコンピューターのごく一部。館内には520台のコンピューターと470台のプロジェクターが設置されている。 


【ランプの森】
人がランプの近くで立ち止まりしばらくじっとしていると、最も近いランプが強く輝き音色を響かせる。ランプの光は最も近い二つのランプに伝播し、伝播していく光は1 度だけ通る一本の光のラインとなり、最後に起点となった最初のランプで出会うという仕組みになっている。




鑑賞者も作品の一部となって溶け込んでいるボーダレス感。


【untitled 】制作中
身体ごと没入して様々なインタラクティブが起きるBody Immersive作品。今回は緑の棚田が永遠に続いているかのように感じられる演出であったが、秋には黄金色の稲穂になるなど、訪れる季節によって異なる風景を愉しむことができるエリア。


高低差を付けているので、このような棚田の下に潜るような非日常な体験も。


最後には、最初に見たあの花と滝の風景を上から望むことができた。
作品を鑑賞する他者の存在もポジティブに捉えた境界のないアートでできた世界。


現場チェックに来ていた浜田晶則さん(teamLab Architects)。
本施設の作品群の空間設計を担当している。「既存建築物に対する改修なので現場で苦労する部分もたくさんありますが、各作品の垣根を越えたボーダーレスというテーマを空間にも落とし込んでいます。デジタルによって建築の概念を拡張する新しい美術館になると思います」

今回紹介できたのはほんの一部。その他にも公開NGのたくさんの制作中エリア(輝く前のWander through the Crystal Universeにも対面できた!)をノンストップで見てまわり時間にして2時間ほど。実際に体験もするとしたら倍の時間を要するかもしれないが、圧倒的なスケール感と唯一無二のコンテンツで、想像以上のマインドブローイングな1日を過ごせること請け合いだ。


MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless
所在地:東京都江東区青海1-3-8(お台場パレットタウン)
開業日:2018年6月21日(木)
料金:一般/高・大学生3,200円子ども(4歳~中学生)1,000 円
チケット発売:2018年5月下旬より発売予定
運営者:森ビル・チームラボ有限責任事業組合
プロジェクションパートナー:エプソン販売株式会社
URL :http://borderless.teamlab.art/jp


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14 5月, 2018

大田聡による横浜の複合施設「Tinys Yokohama Hinodecho」

大田聡(office OTA.)による横浜のトレーラーハウスを用いた複合施設「Tinys Yokohama Hinodecho(タイニーズ横浜日ノ出町)」を見学してきました。
動産・タイニーハウスのメディア運営や企画・開発を手がけるYADOKARIと、京浜急行電鉄が連携し、高架下でタイニーハウス(ちいさな家)を活用し展開する複合施設で、カフェ・イベントスペース、ホステル、水上アクティビティステーションからなる。
大田聡さんは、成瀬・猪熊建築設計事務所へ務め、2015年に独立した。

 日ノ出町駅から数分の京浜急行の高架下を利用。

 Y-GSA飯田善彦スタジオと、SALHAUSが協働で手掛けた「日ノ出スタジオ」の隣だ。

高架下左から、水上アクティビティ「Paddlers+」、カフェ・イベントスペース「Tinys Living Hub」、ユースホステル「Tinys Hostel」が並ぶ。

 目の前には大岡川が流れる。水上アクティビティを楽しむ場合はこの桜桟橋からSUP(スタンドアップパドル・サーフィン)などで繰り出すことができる。

高架下に納まるタイニーハウス。

 タイニーハウスは全てトレーラーハウスで、車台に既製の貨物コンテナを載せて造られた。つまりトレーラーハウスが “駐車” されている状態なので、建築物には当たらず建築確認を必要としないのだ。

 Tinys Living Hub(タイニーズリビングハブ)。カフェ&バーであり、イベントスペースで、タイニーズ横浜日ノ出町の中心となり、街に開かれたコミュニケーションスペースとして誰でもご利用できる。

 またトークセッションやワークショップ、マルシェなどユニークなイベントを開催。
5月24日には世界中で展開している「ペチャクチャナイト」の横浜版、「ペチャクチャナイト横浜 vol.10」も開催され、設計者の大田聡さんも登壇し本件についてプレゼンする。
https://www.facebook.com/pkyokohama/

 オフィス兼厨房兼バーカウンターも、コンテナの側面をくり抜いて作られている。

 Tinys Hostel(タニーズホステル)。バーカウンターと同じコンテナの反対側がフロントになっている。

宿泊用のタイニーハウスは3棟(台)で、それぞれ異なるデザインとなっている。1棟につき4人宿泊できる。

 1棟目はウロコ張り。

 20フィートサイズのコンテナは6m×2.4mだが、断熱や仕上げで内寸は2.2m。ドミトリータイプで2段ベッドが2台。
男性だけ、女性だけの4名でシェアするか、仲間や家族だけで1棟を借り切ることもできる。

 反対側にはミニキッチン、トイレ、シャワー。切妻屋根の小屋のような雰囲気だ。

 コンパクトな空間であるため、各棟は両サイドに大きめの開口を設けた。隣も見えるが互いの雰囲気が分かり楽しい。もちろんロールスクリーンも降ろすことができる。

 2棟目は下見張り、3棟目は焼き杉の縦張り。

 こちらは両棟がデッキで繋がっているのでグループで借りると面白そうだ。

 明るくカジュアルな雰囲気と、、


 ダークで落ち着いた雰囲気だ。



左から京浜急行電鉄の小林雄大さん、大田聡さん、YADOKARIの相馬由季さん。
「トレーラーハウスでの宿泊施設は法的なハードルがある一方で、外装材が自由になるといったメリットもあります。木や砂舗装などの素材を多く使用し、樹木を配置することで、高架下の独特な雰囲気を変え、地域にひらけたスペースになるように設計しました。」と大田さん。

【Tinys Yokohama Hinodecho(タイニーズ横浜日ノ出町)】
設計監理:office OTA.
施工:DDD inc.
URL:http://tinys.life/yokohama/


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